Copilot CoworkとClaude Coworkの違い

Copilot CoworkとClaude Coworkの違い|Claude Coworkを社内で数か月使った視点で読み解く

先にお断り:まだ使っていません この記事は「Copilot Coworkを使ってみた」という話ではありません。自分はまだ触っていない。 書いているのは、Claude Coworkを会社で数か月使ってきた人間が、Copilot Coworkの公開情報を読んで何を考えたかという記録です。使用感のレビューを探している方には物足りない内容だと思います。 それでも書くことにしたのは、この2つの関係を知ったときに「じゃあ自分がこれまで覚えてきたことは、どうなるんだ」と真っ先に思ったからです。同じ立場の人がいるかもしれない、と考えました。 そもそも「Copilot」と「Copilot Cowork」は別物 まず紛らわしいところから整理します。名前が似ていますが、この2つは違うものです。 名前 何をするもの Microsoft Copilot Office等の中にいるアシスタント。文書作成や要約を手伝ってくれる Copilot Cowork 時間のかかる複雑な作業をまるごと任せられる仕組み。2026年6月に一般提供開始 以前に書いたClaudeとCopilotを使い比べた記事は、上の段の「Microsoft Copilot」との比較でした。この記事で扱うのは下の段のほうです。 公開情報の整理 2026年6月16日、MicrosoftはCopilot Coworkの一般提供を開始しました。公表されている内容をざっくりまとめると、こうなります。 時間のかかる作業を任せられる:複数のツールをまたぐ長時間の処理を、クラウド上で進めてくれる 社内の情報やツールを踏まえて動く:組織の中の文脈を持ったまま作業する 使った分だけ課金される:Copilotクレジットという仕組みでの従量課金 作業内容に応じてAIを自動で選ぶ:複数のAIモデルを使い分ける方針 そして、報道によれば——Claude Coworkの基盤技術とClaudeモデルを、Microsoftのインフラの中で動かしているとのことです。 正直、ここを読んだときは驚きました。 覚えたことは、たぶん無駄にならない 自分がまず気にしたのは、これまで積み上げてきたやり方が使えなくなるのかという点でした。 会社でClaude Coworkを触り始めてから数か月、失敗しながら覚えたことがいくつかあります。しかし中身が同じ系統のAIなら、そのほとんどはそのまま持ち越せるはずです。 具体的にはこのあたり。 ① 従量課金との付き合い方 どちらも使った分だけ課金される仕組みです。だとすれば、46万件のファイルを整理したときの記事に書いた考え方はそのまま効くはずです。 機械的なルールで絞れるところは機械に任せ、AIには判断が要る部分だけを渡す。 課金の名前がクレジットに変わっても、「必要な分だけ読ませる」という原則は変わりません。 ② 頼み方 AIへの頼み方をまとめた記事に書いた6つも、製品が変わって通用しなくなる類のものではないと思っています。ゴールを自分で決める、迷ったときの倒し方を先に渡す、毎回言うことは文書にしておく——このあたりは、そもそもAI特有の話ですらありませんでした。 ③ 役割分担の設計 書類の仕分けを任せたときの記事で書いた「運搬・判断・確認を分ける」という考え方も、道具が変わっても残ります。何をAIにやらせて、何をやらせないかは、製品の仕様ではなく仕事の設計の話だからです。 つまり、乗り換えが起きたとしても、覚え直しになるのは操作方法くらいではないか、というのが今の見立てです。 逆に、気になっていること とはいえ使っていないので、分からないことのほうが多いです。特に気になっているのは3つ。 ① ファイルの置き場所の制約はどうなるのか Claude Coworkで最初に苦労したのが、これでした。何が読めて何が読めないかを調べた記事に書いた通り、ネットワーク上の共有フォルダが見えない、といった制約が最初に立ちはだかりました。 Microsoftの製品なら、SharePointやOneDriveとの相性は良さそうに思えます。ただ、こういう制約は実際に触ってみないと分からないというのが、これまでの経験から学んだことでもあります。 ② 「クラウドで動く」の意味 Copilot Coworkはクラウド上で処理が進むとされています。もしそうなら、書類の仕分けの記事で書いた「パソコンが動いているあいだしか処理が進まない」という制約が、そもそも存在しないことになります。 自分の環境では、退社時にPCを止めるルールがあるせいで、大きな処理を夜間に流せませんでした。ここが変わるなら、できることの幅はかなり広がります。 ③ 従量課金の実感 「クレジット制」と言われても、実際に業務で使うとどれくらいかかるのかは使ってみないと分かりません。Claude Coworkより3〜4割安いと報じている記事もありますが、これは料金表の比較であって、同じ仕事をさせたときの実費とは別の話です。 自分の場合、Claude Coworkでは「1ページ目しか読ませない」といった工夫でコストを抑えてきました。同じ工夫が同じように効くのかどうかは、触ってみたいところです。 「どちらを選ぶか」という話ではない 最後に、これは書いておきたいのですが——多くの会社員にとって、これは選べる話ではないと思っています。 どのAIを導入するかは会社が決めることで、現場の人間は用意されたものを使うことになります。自分もそうでした。 だからこの記事も「どちらが優れているか」を論じるつもりはありません。それより大事なのは、どちらが来ても困らないだけの考え方を持っておくことだと思っています。 そしてありがたいことに、その考え方は製品にあまり依存しませんでした。目の前にある道具で試して、失敗して、覚えたことは、次の道具でも使えます。 少なくとも今回調べた限りでは、そう考えてよさそうです。 ...

2026年8月29日 · 1 分
ClaudeとCopilotを非エンジニアが使い比べた

ClaudeとCopilotを非エンジニアが使い比べた|Power Automateで自動化して分かった差

※この記事の「Copilot」について ここで比較しているのは、Officeなどの中にいるアシスタントとしての Microsoft Copilot です。2026年6月に一般提供が始まった Copilot Cowork(時間のかかる作業をまるごと任せられる仕組み)とは別の製品です。 そちらをお探しの方は、Copilot CoworkとClaude Coworkの違いのほうをご覧ください。 会社にはClaudeもCopilotもある 毎日、SharePoint上の台帳を開いて、記入漏れがある行を探して、担当者に声をかける。地味だが誰かがやらないと後で困る、そういう仕事があった。 これを自動化しようと考えた。決まった時刻に台帳をチェックして、未入力があればTeamsに通知が飛ぶようにする。 最初は、Claudeに直接やらせるつもりでいた。ところがこれができない。SharePoint上にあるExcelは、Claudeからは直接読めなかったからだ。手元にコピーすれば読めるのだが、それを毎日手でやるなら自動化の意味がない。 (この「どこに置いてあるファイルなら読めるのか」は最初に調べてあった。詳しくは前回の記事に書いている) そこで方針を変えた。**ファイルを触る部分はMicrosoft Power Automateにやらせる。**AIにできないことは、別のツールに任せればいい。 ただ、こちらはプログラミングの経験がない。Power Automateも初めて触る。となると、誰かに聞きながら進めることになる。 幸い、会社にはAIが2つある。Microsoft CopilotとClaudeだ。せっかくなので両方に相談しながら作ってみた。この記事は、そのとき何が違ったかの記録になる。 先に断っておくと、これは「自分がこの作業をやったときの話」であって、どちらが優れているという一般論ではない。実際、後半に書くようにCopilotのほうが向いている場面もある。 作ったもの まず何を作ったのかを簡単に。 毎日決まった時刻に、SharePoint上にある当月の台帳(Excel)を自動で開く 記入漏れの行を抽出する(案件番号はあるのに、記入者の欄が空、または「未確認」のままのもの) 対象外の取引先は除外する 該当があれば、Teamsに一覧を投稿する。ゼロ件なら何も送らない 文章にすると4行だが、これを作るのに何日かかかっている。理由は後述するが、途中で「これは無理かもしれない」と思う場面が何度かあった。 つまずいた場所:見えない文字が入っていた 一番苦労したのは、フィルターがどうしても効かないことだった。 台帳から「記入者の欄が空の行」を取り出そうとすると、結果がゼロ件になる。実際には空の行がいくつもあるのに、だ。設定を見直しても、書き方を変えても、うまくいかない。 原因が分かったときは脱力した。Excelの列名(見出し)の中に、改行文字が紛れ込んでいたのだ。 見た目には分からない。セルを見ても普通の見出しにしか見えない。ところがプログラムから見ると、その列の名前は「記入者」ではなく「記入者+改行」という別物になっていて、だから「記入者という名前の列」を探しても見つからなかった、という話だった。 これは非エンジニアには絶対に思いつかない類の原因だ。「自分の書き方が間違っている」としか思えないし、実際そう思って何時間も設定をいじっていた。 最終的には、列名を指定する代わりにデータ全体を文字列として検索する方法で回避した。正攻法ではないが動く。 ここで差が出た①:曖昧な質問に答えられるか この「原因不明で詰まっている」状態こそが、2つのAIの差がはっきり出た場面だった。 こちらが投げられる質問は、正確には程遠い。 「フィルターが効かない。空の行があるはずなのに0件になる。なんで?」 専門用語で症状を説明できないから、こういう聞き方になる。何が起きているか分かっていないのだから当然だ。 Copilotは、この手の質問で意図を取り違えることがあった。 一般的な設定手順の説明が返ってきたり、こちらが既に試したことをもう一度勧められたりする。そして何より、やり取りが続くと前の話を見失う。「さっき言った条件で」が通じなくなると、また最初から説明することになる。原因究明は往復回数が多くなるので、これは地味に効いた。 Claudeは、曖昧なまま投げても文脈を保ったまま付き合ってくれた。 「その症状なら、列名に見えない文字が入っている可能性がある」といった、こちらが思いつかない仮説を出してくる。しかも「じゃあどう確認するか」まで具体的な手順で示してくれる。 改行文字の件も、自力では絶対にたどり着けなかった。「素人の曖昧な訴えから、原因の候補を出す」——非エンジニアが一番助けてほしいのは、まさにここだと思う。 ここで差が出た②:画面を見せて聞けるか もうひとつ、そして個人的にはこちらのほうが決定的だった差がある。スクリーンショットを見せて聞けるかどうかだ。 Power Automateのような専門ツールは、画面の各部分に名前がある。でも初めて触る人間はその名前を知らない。だから言葉で説明できない。 「右上の……なんか歯車みたいなやつの下に出てくる、青い文字の部分」 こんな説明で伝わるはずがない。だから画面を撮って「これのどこを押せばいい?」と貼るのが一番早い。 ここでの差は大きかった。Copilotは画面の状況をうまく把握できないことがあり、貼った画像とかみ合わない回答が返ってくることがあった。Claudeは画面を読み取って、「その画面なら、左側の◯◯を開いて、△△を選ぶ」と具体的に案内してくれた。 言葉を知らなくても質問できる、というのは非エンジニアにとって想像以上に大きい。用語を調べる時間がまるごと消えるからだ。 違いは「道筋が見えているかどうか」 ここまで読むとClaude一択に見えるかもしれないが、そうではない。両方を使ってみて、自分なりに整理できた軸がある。 Claudeが効くのは、ゴールは決まっているのに道筋が分からないとき。 今回がまさにそれだった。「記入漏れを自動で知らせたい」というゴールははっきりしている。でも、そこへどう辿り着けばいいのかは何も分かっていない。フィルターが効かない理由も分からない。こういう状態で、こちらが理解していないことまで推論して「たぶんこれが原因では」と提案してくれるのがClaudeの強みだった。 Copilotが効くのは、道筋が分かっているとき。 Officeの中に常駐していて、作業している横で逐一手を貸してくれる。やることが決まっている作業を速くする、加速装置のような存在だ。 Officeの中で完結する作業:Excel、Word、Teamsの画面からそのまま呼び出せる。別の窓を開いて往復しなくていい 社内の情報を踏まえた作業:会議の要約、これまでのやり取りを前提にした下書き 短い定型作業:メールの下書き、文章の整え——わざわざ相談するまでもないもの つまり、Claudeは「道筋を一緒に探す相手」、Copilotは「決まった道を速く進むための装置」。優劣ではなく、そもそも役割が違う。加速装置は、既に動いている人を速くすることはできるが、止まっている人を動かすことはできない。 そう考えると、時間軸での使い分けも見えてくる。分からないうちはClaudeに相談して道筋を決め、やることが固まったらCopilotで手を動かす。 自分の中では、この流れが自然になりつつある。 結果として、どうなったか 出来上がったフローは本番で動いている。 決まった時刻に台帳を読んで、記入漏れがあればTeamsに一覧が届く。手作業で確認していた時間はゼロになった。抽出の正確さも、手で数えた結果と一致することを何度か確認している。 ...

2026年8月11日 · 1 分